ありすは

漫画の感想からほにゃららまですべては気まぐれオレンジでのんべらり。。。

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師走五限目現代社会

なんとなく書いた前回の自作小説。
結構書いてて面白かったので、誰も求めていないけどこれからも書いてみようかと思う休みで浮かれた私。
しかし、連休終了後の火曜日、浮かれ気分は吹っ飛び仕事もーど。
その後色々あって帰社時。アイデア波受信。ビビビビビビ

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昼休みも終わり、またいつもどおりこの時間が来る。
これで、この教室の戸を開けるのは何度目になるのだろうか。
教師になってからもう20年以上が経つ。
この学校に配属されたのは3年前、久しぶりに現代社会を任されることとなった。以前の学校では倫理を教えてきた。まさかこの歳になってから改めて現代社会を教えることとなるとは微塵に思わなかった。

しかしこの科目、授業で教えるにあたって復習してみたが、非常に面白いことに気づいた。
これまで教えてきた倫理は、私は学生時代から好きだった。逆にこの現代社会は、あまり記憶にない。だがこうして見ると、社会のメカニズムや国際情勢などが要所要所で押さえられていて、毎日新聞を読むのが楽しみになってくる。これほどまでに、実生活において役立つ科目はそうないだろう。

季節は冬、12月だ。大学入試センター試験まであと一月程度となった今、ほとんどの生徒は熱心に私の授業を聞き、黒板に書かれたものをノートに移す。どうか、このひと時だけに終わらず、これからもこの授業で得た事を活かして、日常をもっと知識に溢れたすばらしい生活をおくって欲しい。私の願いは唯一つだ。


授業が始まってしばらくすると、いつもの視線を感じる。この前の席替えで教卓の手前に移ってきた金田一(かねだはじめ)だ。彼は熱心に私の頭髪に目を注いでいる。おそらく、彼もまた私がカツラであると思い込んでいるのであろう。
だが、断じて私はカツラなどではない。確かに、年齢に似合わず私の髪は白髪もなく量も多い。だがそれは、私の自慢なのだ。以前の学校では、女生徒からも人気がある教師の部類だった。
しかし、この学校に移ってからは自慢の髪は仇となった。歳に似合わないこの髪は、配属しばらくしてカツラ疑惑となっていた。せっかくの自慢の髪が、カツラなどと言われては我慢ならない。私は、あらゆる授業で必死に生徒に弁解した。時には生徒に髪の毛をつかませて実証したりもした。

だが、それは逆効果だった。

「必死すぎて逆に怪しい。」そんな身も蓋もない結論が、私をカツラと断定させた。それから私はもう、髪の毛のことを話すことはやめた。そして、周りは一層私をカツラという目で見るようになった。

気がつけば、そのストレスで私の髪の毛は1本、また1本と散り始め、徐々に私の地肌をさらすようになった。そして、私の周りは、カツラとばれて、徐々に量を減らしてごまかそうとしているという、哀れみの目で見るようになった。・・・・・・どないしろっちゅうねん。

金田から目をそらすように、私は教室の奥を見た。席の一番後ろには我が心のアイドル、ユキちゃんがいる。相変わらず熱い目で私の後ろの黒板を見ている。素敵だ。
その横では相変わらず、鈴村晴喜が教室の外を眺めていた。彼は一体何を考えているのかよく分からない。成績は中の下、運動も特に出来るというわけでもない。しかし、センター模試のときに限って、驚異的な成績をたたき出す。もう少しまじめに授業を受ければ、もっといい成績を出せるはずなのだが、本人にそういったことに無関心なのか、はたまた斜に構えているのがいまだにかっこいいと思っているのか、おそらく後者に違いないだろう。

しかしながら、私がこうして見ているのに、少しは気づいてまじめにする振りでもしたらどうか、と思うが、彼にはそういったことが出来ないのだろう。と思ってたらどうやら本当に少し気づいたようだ。

だがなぜか彼は少しそわそわしている。しきりに廊下側を見ようとしては、途中で止める。トイレにでも行きたいのだろうか。彼は少々内向的だから、トイレに行きたいと自分では言えないのかもしれない。私はそっと彼に視線を合わせ、教科書を廊下側に仰いで、彼にトイレにいってもいいというジェスチャをしてみせた。

すると、金田が私に会釈をして席を立ち、ほっとしたように教室を出て行った。どうやら彼も我慢をしていたのだろう。しかし、こうなっては鈴村に負担がかかる。二人続けてトイレに行くというのは、一人目に便乗しているようで男らしくない。彼は悔しかったのか、軽く舌打ちをしていた。

私が少し申し訳ない気持ちになってしまったが、彼もついに思い切ったのか、勢いよく視線を廊下に向けた。どうやら彼は私がいなくても大丈夫だったようだ。少しお節介だった気がするが、金田の危機が過ぎ去ったのでそれはそれでよし。

気を取り直して授業を再開しだしたが、しばらく経っても鈴村はトイレに行く気配がない。やはり、恥ずかしがっているのか、心配して彼の席を再び見てみると、鈴村晴喜は熱心にユキちゃんを凝視していた。まったく彼の考えることは分からない。

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